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1.国際連合 2.アジア売春事情 3.世界売春事情

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3.世界売春事情

■北米
カナダでも合衆国でも売春は禁止されている。
アメリカでは州法がそれぞれ違うが、罪の程度の差こそあれ売春は、させたもの、したもの、買ったもの、全てが罰せられる。
1918年以前には全米のいたるところに何百という売春宿があったが、第一次世界大戦後、労働組合が結成され、人間の権利と人格の尊厳を重んじようという道徳観の普及により売春を撤廃。
1948年以来、合衆国全州において売春が禁止されるにいたったのである。
ともあれ、現在でもアメリカにも売春は存在している。
アメリカの売春組織がフランスと違う点は、売春婦も斡旋業者も、売春以外の他の職業にちゃんとついている点である。
これはもちろんカモフラージュのためと、警察に踏み込まれてもなんとか自分の身を守れるというわけである。

■中南米
アルゼンチン
アルゼンチンは登録制度で、売春を公許、規制している国である。
売春宿は組織的に運営され、全世界から売春斡旋業者がやってきて売春婦を調達していく。
自由売春婦も全然禁止されているわけではなく、保健取締も極めてルーズである。
それでも廃娼国であることに変わりがない。


メキシコ
メキシコでは連邦制度の下にある地域では売春宿は閉鎖されたが、その他の地域では依然存在しているし、自由売春婦の取締も極めてルーズである。
生活のために娼婦へと身を落とす女性も少なくなく、これがコールガール組織の発達へと導いている。

ブラジル
売春宿経営は禁止されているが、売春婦は特別な鑑札制度で規制されている。
ポン引きや斡旋行為も認められているので、必然的に営業する場所、家が不可欠となり、これが秘密売春宿に変わっていく。
ブラジルには路上で生活し働く子どもたちが約10万人いて、その多くは売春経験者である。
人身売買も行われており、それは、少女を都会の掘っ立て小屋からアマゾンのなかの遠隔地へと連れて行くもので、そこでは、地元で働く独身男性に売られる。


コスタリカ
北米から、小児性愛者も含めて、仕事を引退した人や国外移住者がコスタリカに移り住み、子どもたちを売春に利用している。
 人口わずか27万8千人の都市サンホセでは、少なくとも3千人の売春婦がいて、大半は未成年である。
コロンビア
1994年6月コロンビアの都市ボゴタの商業会議所により出版された研究によると、首都には5千人から7千人の18歳以下の売春婦がいる。
すべての売春婦の3分の1は14歳以下である。
半数以上が性病にかかっている。
8歳から13歳までの売春は1986年から1993年の間に5倍になった。

キューバ
キューバにおいては数はまだ多くないが、ヤミの幼児売春が問題になりはじめている。
売春は都市部に集中しており、観光客の数を増やそうとする計画と関係がある。

ドミニカ共和国
ドミニカ共和国では買春ツアーが増加している。
約2万5千人の子どもの売春婦が観光客によって買われ、そのうちの63%は少女。
買春ツアーは毎年訪れる150万人の観光客の間に広まっている。
レポート調査された都市部の幼児売春は客の20〜30%が観光客で、観光地では、客の60〜80%が観光客である。


ニカラグア
1993年のニカラグア政府による調査によると売春婦の92%が12歳から18歳であった。
一方1994年、子どもの権利委員会に提出されたパラグアイのレポートによると同国の都市部には路上で行商人や売春婦として働いている2万6千人の子どもたちがいる。
1995年のユニセフのレポートによれば、ベネズエラにおいては4万人の子どもたちが売春婦になる可能性があるという。
1996年の調査によれば、ほとんどの幼児買春は、季節労働者、炭坑夫、船乗り、そして地方の男たちによってなされている。

■ヨーロッパ
東ヨーロッパ
共産主義の崩壊後、新体制の導入を急ぎすぎた東ヨーロッパの国々では、以前国家から与えられていた社会サービスがなくなり、その結果貧しい家庭やきずなを失ってばらばらになった家庭が増大した。
そのせいか、25万人余りの子どもたちが孤児院で暮らし、10万人あまりの子どもたちが路上で生活しているという報告もある。
モスクワ市内では、駅から子どもたちが追い出されて路上での生活を強いられ、ルーマニアのブカレスト市では、数ドルで売春を強要される子どもたちがいるという。
施設に暮らしているからといって、決して安心はできない。
ポーランドやルーマニアでは、イギリスやスイス、北欧などの小児性愛者によって施設の子どもたちが買われたり、養子にされている。
健康なポーランド人の子どもが2万5千ドルくらいで売買されているという報告もある。
いろいろなルートで子どもたちは東ヨーロッパから西ヨーロッパに売られていき、その数は増え続ける一方。
西の国々に売られてきた子どもたちは、小児性愛者のネットワークを通ってうまく姿を隠されてしまうのである。
未成年者の性を買う行為は犯罪行為だが、当局はそれを十分に認識し始めたものの、法律上では未だに子どもたちを救う道が取られていないのが現状。
未成年者の性の商業的搾取にまつわる犯罪の広がりが早すぎて、法の改正や執行が追いつかないのだ。
しかし、スウェーデンが海外で性問題を起こした自国民を逮捕する措置をとったのを皮切りに、ドイツ、フランス、デンマーク、アイルランド、アイスランド、イタリア、スイス、ノルウェーなど、次々と法的措置を採用している。
売春する子どもたちは、警告を受けたり告訴されているが、彼らを性的に利用する大人がそういった措置を受けることはまだまだ少ない。

スイス
売春婦は登録しなければならず、定期の健康診断を受けねばならない。
地方権力は特定地域での通りでの売春活動を禁止したり、同じブロックを繰り返し行き来する車を検挙することで、売春と戦う傾向がある。
売春宿の経営者やぽん引きは起訴される。
性的同意年齢は16歳。

イギリス
売春それ自体は厳密にいえば合法である。
しかし、いくつかの外部活動は非合法化され、そのため合法的に働くことは難しくなっている。勧誘、宣伝、売春宿の経営は違法である。
イギリスといえば紳士の国。彼らは、本国においては、禁欲主義的訓練を受け、清潔で頑丈な肉体の鍛練を義務づけられていた。
しかし本国の外では、現地(植民地)のエキゾチックな女性や売春婦を相手に、思う存分性的な快楽を楽しむ特権をえていた。
つまり、アフリカやアジアは、英国の共同便所だったのである。
もともと売春問題はこの国にとってはタブーであり、嫌悪を感じていた。
そして、ついに1959年8月15日に成立された「街頭犯罪法」を用いて、売春仲介と、ポン引きに対する一掃を敢行したのである。
ポン引きに対しては10ないし25ポンドの罰金、再犯は3ヵ月の懲役、売春宿の経営者に対しては、最高7年の懲役が課せられた。
しかし、この売春対策に対して労働党・自由党および上院の議員らから反対の声が巻き起こった。
というのも、売春婦や関係者をただ投獄するだけで、更正復帰や予防については全く考えていないからである。

スペイン
公式には売春はないことになっているが、そういった生活を送っている女性がいるのは事実である。
そして特別に登録、管理はされておず、一般的な法の下におかれているにすぎない。

ポルトガル
売春宿の営業は許可されているが、1949年に出来た法律第2036号によって新規開業は禁止されている。
廃娼制度を新規売春の停止という状態で採用したのだ。
これにより、経営者が姿を消すに連れ、売春宿もなくなるというわけである。

イタリア
1958年9月20日に公布された法律により、それまであった登録公許制度と売春宿の経営が廃止されたが、これは売春婦やその他の人々から猛反対を受けた。

オランダ
あらゆる意味で自由の国であるオランダ。
ここではドラッグだけでなく、売春もすでに「(個々の人間の)自決権」という名の元で合法化され、売春婦たちの状況は日々改善されている。
1988年より、それは法的な職業として位置づけられ、売春婦はサービスの分野の組合に加入した。
1995年にはなんと「売春奉仕短期大学」がアムステルダムに開校。 
1996年より彼女らは所得税の支払いを義務づけられている。
売春婦は登録されず、また、健康診断を義務づけられてはいない。
ぽん引き及び売春の周旋は一応、違法である。売春宿はオープンに宣伝され、市は売春をそれに相応しく規制できるように、売春宿を町の一定地域に制限している。
しかし、アムステルダムの売春婦の80%以上が 外国人で、内70%が 身分証明書を持っていない。
彼女たちは密輸業者の手によって連れて来られた者がほとんどである。
"Stichting Man & Prostitutie" と呼ばれる売春客の組織と売春情報センター(PIC)があり、ここではアムステルダムの売春の価格情報、身体障害者の客のための情報、安全なセックスのための情報、女性客のための心得等が書かれた小冊子を配り、質問に答え、売春婦、客、その配偶者、観光客、そして学校のクラスにセミナーを開いている。
性的同意年齢は16歳で、16になるまで売春宿に行くことはできず(強制はされていない)、ソフトポルノ映画に出演できず(強制されている)、18歳になるまでハードコアポルノや売春で働けない。
アムステルダムはオランダの首都であり、かつては港町として栄えていた。
港町には海の男たちのために売春地帯が付きもので、アムスといえば「飾り窓」という名の売春地帯(赤線地帯)が有名。
非常に汚い小路が密集している地域に、夜になると赤色系の照明があやしく瞬く。
その中には女性がいて、客を待っているのである。
麻薬の売買、窃盗・強盗、路上ギャンブルなど、あらゆる非合法行為が公然と行われ、犬の糞やゴミで溢れ、普通の人は決して近づかない地域でもあった。
「飾り窓」の中にはいろいろな女性がいるが、若くて美人、かわいらしい女の子を見つけることはまず、ムリ。
窓にカーテンがかかっている部屋は「仕事中」である。
路上や運河のほとりで客を探している娼婦もいる。
こちらは若くて綺麗な女性が多いいが、客を選ぶこともある。

デンマーク
売春それ自体は合法である。 しかし、それで生計を立てることは違法である。
すなわち、女性は別の収入源を持たねばならない。
これは実際には、他人の売春行為によって生計を立てる者に対してのみ、適用されている。
同意年齢は15歳。

フィンランド
売春は違法でもないし、規制されてもいない。
 ぽん引き及び売春をプロモートすることは禁じられている。
 異性との性的同意年齢は16歳、同性とのそれは18歳。
ギリシア
売春は合法である。
ギリシャ政府は最近、売春婦を55歳で引退させる計画を公開した。
登録した売春婦は週二回健康診断を義務づけられるので、多くの者は登録せず、健康管理の証明書を持っていない。

ハンガリー
売春は1992年に合法化された。
内務省は92年2月、売春婦は私的企業家として登録されなければならないとの計画を出した。
地方自治体は、免許を発行し、売春婦は有効な衛生証明書を持ち歩かなければならない。

ノルウェー
売春は合法である。
公共の場所での売春に関して法律があるが、実効性はない。
ぽん引きは違法である。
同意年齢は16歳。

ポーランド
売春はまったく規制されておらず、ゆえに合法である。
議会はセックス産業全体に適用されるセックス税の導入を検討している。

スウェーデン
売春自体は合法であるが登録しなければならず、街娼やぽん引き、無届け売春宿などは違法である。

フランス
売春それ自体は合法である。
しかし、売春婦は 公道において勧誘することを許されていない。
売春周旋もまた違法である。
売春婦は、彼女が売春で得た金を使うことができるただ一人の人間である。
もし、彼女が結婚していて家族の生計を支えている場合、夫は売春周旋の罪で起訴される可能性がある。
売春婦の登録はもちろん、古い高級売春宿は1946年、議会において、共産主義者及び社会主義者によって廃止された。
時々、売春婦が働いているアパートが売春宿と宣言され閉鎖される。
同意年齢は18歳。

ドイツ
売春婦は国家に登記しなければならず、定期的に健康診断を受けなければならない。
もし、客が代金支払を拒否した場合、売春婦はこれを訴追できないが、社会民主党は、売春婦のこの状況を改善しようと試みている。
ドイツの都市は夜はどこでも風俗産業が大繁盛。
夜遅くには客捜しと思われるストリートガールが路地に立つ。
タイ、アフリカ、東欧からの多くの外人売春婦が違法に働きにきているが黙認されている。
ドイツに限らずヨーロッパではポルノに規制はない。
ベルリンやフランクフルトの売春婦の組合では、売春への汚名と戦い、正規の職業としての売春の承認のために戦っている。
彼らは、また、働いている女性たちにエイズの教育や他のサービスを提供している。
性的同意年齢は16歳である。

ブルガリア、ルーマニア
東欧独特のうすら寂れたバーに入ると、中年のおやじと、スラブ系の若い女がペアになっていて、おやじが客に声をかける。
要するにポン引きである。
交渉が成立すれば後はお決まりのコースへ。

オーストリア
売春は、一つの地方を除いては合法である。
売春婦は登録せねばならず、かつ、毎週の健康診断を受ける必要があり、所得税を払わねばならない。

ベルギー
売春は違法である。
しかし、黙認されている。
ぽん引きと婦女売買だけが起訴されている。
50年代まで登録と健康診断等を伴った公式の売春政策があったが廃止された。
しかし、特定の市はこの政策を非公式に復活させている。

■中近東
ロシア
ロシア革命のころのソビエト刑法第4章第150条から155条、および181条に「人間の生命・健康・自由の侵害」を罰するという記載がある。
これにより、売春婦を集める女衒連中は当局の手により逮捕、中には死刑になるものまであった。
1960年に公布された新刑法では第226条に売春禁止法があり、違反者に対する処罰は5年以下の懲役または強制労働と、罪が軽減されている。

チェコ
売春は合法であるが、ぽん引きなどは合法ではない。
市は特定地域で、街娼を禁じることができる。
しかし、これは通常機能せず、そして強制されていない。
性的同意年齢は15歳。

トルコ
かつて日本ではソープランドのことをトルコなどと呼んでいたが、本場トルコのトルコ風呂は何も性を売る場所ではなく、純粋に垢すりをしてくれる場所である。
だからといって、トルコに売春はなかったかというとそうでもない。
トルコの玄関、世界の十字路イスタンブールなどの歓楽街では、夜半を過ぎるとベリーダンスのショーやらヌードショーがあちこちの飲み屋で始まり、怪しげな賑わいを見せ始める。そんな街の小さな路地が完全に赤線地帯となっているのだ。
トルコ人女性が中心だが、中にはロシアから渡ってきた娼婦もいて、彼女たちは俗にナターシャと呼ばれている。
トルコは敬虔なとまではいかないまでもイスラム教の土地である。
当然、売春は禁止されているのだが、これが外国人となれば話しは別で、表向き、外国人が外国人相手に売春行為をすることは禁止されていない。
あくまでも表向きの話しであるが。
ちなみに、売春の値段であるが、一回五千円程度、交渉次第で二千円位までは値引き可能だとか。

■オセアニア
オーストラリア
シドニーおよびメルボルンは娼家を閉鎖し、鑑札制度を廃止した。
その他のオーストラリア各州でも娼家は廃止されたが、海員および旅行者が頻繁に出入りする海岸諸都市では、登録制度がいまなお存続している。
売春婦自体は罰せられないが、ポン引きや斡旋業者は逮捕され、非常に刑が重い。その結果、売春自体もすたれる傾向にある。

■アフリカ
南アフリカ
国内最大の都市であるヨハネスブルクとその周辺地域で売春が合法化されるにあたり、この地域の大規模教会は一応にこの制度化に賛成している。
同市内には約1万人の売春婦がいるとされている。
1997年2月以降ヨハネスブルクを含むグーテング州では特別委員会を作り売春の合法化についての公聴会を宗教団体や人権団体を招き行ってきた。
「既に売春の合法化には聖公会、メソジスト、南アフリカ教会協議会、救世軍などによる合意を得ている」と同委員会の担当者は語っている。
レーマ・ミニストリーズのロン・ステール氏は教会としては売春行為に反対するのは当然だが、その背後の事情を知る必要もある。
救世軍の担当者は売春婦と売春行為は違うと述べ、その背後には買う側の男性もいる。
女性のみが犯罪者扱いされるのはおかしいと語っている。
売春が合法化されるにあたり、売春婦は暴力や嫌がらせから国により保護され、また医療機関にも自由にかかることができるという。
上記の幾つかの教会はこの件で正式なコメントを出すことを渋っている。

アフリカ
原則として売春は、コンゴ、ガボン、シニア、ケニア、マダガスカル、ソマリーランド、チャド、南アフリカ全体およびその他の小さな地域で禁止されているが、あくまでも紙の上だけのことである。
チェニジアは非常にはっきりした登録公許制度を定めている。
売春宿は警察および保健機関の極めて厳しい管理下におかれているが、それでもそのすき間を狙って未成年者を売春させている。

モロッコ
モロッコおよびアラブ諸国では、マホメット宗法によれば売春は笞刑で罰せられる犯罪行為である。
回教徒の聖典であるコーランにも「男と女の関係は厳格でなければならない」と説かれ、売春はもっとも重大な犯罪のひとつと言われている。
しかし、事実はまったくの逆で、パリで閉鎖された売春宿がモロッコに流れ込み、未曾有の発展を遂げるにいたった。
モロッコでは南米向けに女性を選別し、豪華でけばけばしい建物を売春宿として建設するほどであった。
1954年4月14日、大臣命令で売春斡旋業者や売春宿の経営者に対する処罰が緩和され、売春婦になれる年齢を16歳へ引き下げた。

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