■梅毒 Syphilis |
病原体 |
梅毒トレポネーマ・パリダム(Treponema Pallidum) |
感染経路 |
キス、性交、性交類似行為、輸血、先天性など |
症状1期
(感染後3週) |
感染したところに痛みのない盛り上がった赤いしこりができる。
しこりは数週間で消えるが、リンパ節に入り込んで増殖する。
男性では主に亀頭に、女性では性器や外陰部にあらわれる。
感染後3〜6週目で梅毒検査が陽性となる。 |
症状2期
(感染後3カ月) |
バラ疹と呼ばれる小型の紅斑が全身にでき、発熱、頭痛、だるさなどの症状があらわれる。
あずき大の赤い盛り上がった発疹が外陰部や肛門付近、顔や手足に出る。
リンパ節が腫れ、扁桃腺になることもある。 |
症状3期
(感染後3年) |
皮膚・粘膜・内臓にゴム腫と呼ばれるゴム様の弾性ある肉芽性病変があらわれる。
いわゆる「鼻が落ちる」と言われる段階。
病原体が骨を溶かす。 |
症状4期
(未治療で10年以上) |
皮膚の症状はなくなるが、せき髄などがおかされ、歩行障害、下半身麻痺などになることもある。
また、中枢神経障害や、脳がおかされることも。
脳がおかされると言語障害や誇大妄想、判断力の低下など、痴呆症状があらわれる。 |
検査 |
血液検査を受ける必要がある。
梅毒の検査は血液検査による抗体反応で調べるので、感染からおよそ3週間以上経過しないと抗体反応が現れない。
怪しい性交渉があってからすぐに検査を受けても感染が見つからないので、一ヶ月近く経ってから検査を受けること。 |
治療 |
マクロライド、テトラサイクリン、ペニシリンなどの抗生物質の服用、もしくは注射。
2〜3週間で治るといわれている。
梅毒は早期治療によって完治できるが、梅毒トレポネーマに対する抗体は、一生陰性化することはない。
つまり、たとえ治療によって治ったとしても感染した事実(陽性)は残ってしまう。
保険が効く。 |
備考 |
梅毒はコロンブスが新大陸の発見とともヨーロッパに持ち帰り、その後爆発的に全世界に拡がった病気。
1905年、スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマの感染によって起こることが発見された。
1929年、梅毒の特効薬である抗生物質「ペニシリン」の発見。以後梅毒の大流行はなくなった。
現在の梅毒は潜伏梅毒が主流で、その症状がほとんど表れない場合が多い。
妊婦は母子感染を引き起こす可能性があり、死産、早産を起こしたりなど何らかの異常をともなう。 |